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専業トレーダー DaTsU

2006/3/31

待ちに待った開幕戦。本当に息づまる試合だった。すばらしい!

<31日の結果>
広島2-0中日
(ナゴヤD)
○横山
Sベイル
●岩瀬
広000 000 002=2
中000 000 000=0
■9回表代打廣瀬の2塁打を起点に、緒方・前田の連続適時打で2点奪い逃げ切る。
■黒田6回6安打無失点-横山-ベイル。梵がプロ初安打(中安)。嶋4の3。

【開幕戦スタメン】
8緒 方
7前 田
5新 井
9 嶋
3栗 原
4 梵
2 倉
6山 崎
1黒 田

☆決勝点のきっかけとなる2塁打を放った廣瀬「何でもいいから塁
に出ようと考えていた。監督の熱い抗議などもあって、勝ちたいと
いう気持ちを感じていた。今までの僕だったら打てなかったかもし
れないが、今日は新しい自分が出せたように思う」


今年の中国新聞のカープ欄も楽しみになる。

▽球炎 驚きの采配 完ぺき結果

 新しいチームの姿だった。驚きの連続となった采配(さいはい)に加え、選手の意識も変えた人心掌握術。オープン戦の段階から予告されていたとは言え、ブラウン監督の手腕が開幕からいきなり花開くとは恐れ入った。ブラウン・カープの見事なスタートである。

 誰もが、心のどこかにわずかでも、ブラウン野球への疑念を持っているはずだ。「果たして通用するのか」と。そんな悲観的な見方は、近年の低迷による「負け癖」であったことに気付いた。その意識を一足早く消した選手は、自信満々にプレーしている。半年前に最下位だったチームの面影は消えていた。

 競れば競るほど競り負けていた中日相手に、継投策の完封勝利など記憶にない。黒田は本当に95球で交代。出塁最優先が定石である同点の終盤にカウント0―3から強打した。三遊間を狭めた新ポジションはピンチを救い、九回は新打線の的中。すべてがすごかった。

 信じること。疑う前に、貫いていく勇気の必要性をブラウン監督は持ち込んだ。昨秋から取り組み続けてきた選手は開幕戦で完ぺきな結果を残した。どこか疑心暗鬼だったことを恥じながら、「マーティー・ブラウン」を信じる。

 ▽緒方・前田 九回に適時打

 スコアボードに延々と並ぶ「0」の数字。ぴりぴりとした緊迫感の中で迎えた九回、広島が絶好機を得た。一死二塁。このチャンスで打順が回ってきたのが「新1、2番コンビ」の緒方、前田の両ベテランだった。

 マウンドには岩瀬がいた。ここまで4打数無安打の緒方が貫録を見せた。「何とか食らい付く」。フルカウントから粘った末の8球目を中前へ落とす。待望の一打にベンチへ向かって右腕を掲げた。この勢いは、次打者前田へも伝わった。岩瀬の140キロを快打し、右中間への適時二塁打。この「二振り」が、勝負を決めた。

 ブラウン監督が新打順を提案したのは2月のキャンプ終盤だった。出塁率が高い打者に多くの打席を回すという単純明快な発想。これまでにはなかったアイデアだった。

 この提案を前田は快諾したという。「監督は勝つためのアイデアを持っている人。僕は、彼を信じてみようと思うんです」。8年連続Bクラス。長年、主力を張る緒方も前田も、相当な責任を感じていた。


 新打線は開幕戦でいきなり的中した。九回の場面、勝負強い二人へと打席が回った時点で、勝負ありだったのかもしれない。緒方は言った。「これからは監督のように選手もグラウンドで気持ちを出していく」。例年とは違う手応えを、はっきりとつかみ取った。(五反田康彦)

 ▽6回無失点黒田、使命果たす

 ○…何度「うれしい」という言葉を口にしただろうか。黒田は自らに勝ち星がついたわけではないのに、チームの勝利をことさら喜んだ。

 今季、ブラウン監督の方針から、六回まで95球を投げ切ったところで交代。一、五回の一死二、三塁などのピンチをしのぎ、エースとしての果たした投球に「今日は倉のリードと守備に助けられた」とナインに感謝した。

 6イニングでの交代については「チームの決まり事だから仕方がない」と割り切り、「それより自分が投げるゲームで、どれだけチームが勝てることができるかが大事」とエースとしての自覚を強調した。

 ▽「これがALL-IN」

 ベンチで巻き起こった「ナイスゲーム」の大合唱。その声に促され、新指揮官はニンマリしながらグラウンドへ飛び出した。活躍した選手も、できなかった選手もみんな笑顔。「これが、ALL―INの戦いだよ」。ブラウンカープが敵地名古屋で、最高のスタート切った。

 序盤から続くゼロ行進。「黒田が粘り、攻撃にチャンスを与えてくれた」。五回表、ブラウンが動く。緒方のハーフスイングの判定をめぐって、主審に猛抗議した。六回裏には二死一、三塁で、自らマウンドへ向かった。「アドバイスはなし。僕が間を取っただけ」。監督自らが体で示した勝利への執念。チームの呼吸は一つになった。

 中日のお株を奪う継投でつかんだ初勝利。「投手陣がいい仕事をした。だが、打撃陣も内容のある打撃をしてくれた。みんなの勝利だ」と、選手全員と勝利の喜びを分かち合った。

 しかし、浮かれるのはここまで。「明日はまた、しぶとい中日との戦いが待っている。今日は今日。明日は明日だ」。初勝利の感激を胸にしまい込み、選手の待つバスへ急いだ。



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